補助金には「補助金の適正化法」があります。
補助金とは、国や地方自治体が産業の育成や町おこしなど公益となる活動や事業に対して、個人や企業に無償で交付するお金のことです。
融資とは異なり、基本的に返済する必要はありませんが、補助金の原資は国民や市区町村民の税金です。
そのため、不適切な活用を防ぐため、交付を受ける個人や企業が補助金に関する法律を遵守しなければならない決まりとなっております。
そのための法律が「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(補助金適正化法)」です。
補助金を他の用途に使うのはNGです。
適正化法は、大きく「補助金の申請と決定に関する部分」と「補助金を受けた個人や団体がやるべきことに関する部分」、「補助金の返還に関する部分」の3つに分けられています。
まずは、「補助金の申請と決定について」。
こちらは第5条~10条で定められていますが、事業の目的や内容、必要経費や記入項目など、申請のための基本的な手続きについて記されています。
補助金の申請と決定に関する部分の柱とも言うべき、補助金交付の条件が決められているのが第7条です。
ここでは、簡単に言うと、「補助金をもらっている人は、状況に変化があった場合は逐一役所に報告し、承認を受けてください」ということです。
「補助金を受けた個人や団体がやるべきこと」が記載されているのは第11条から第16条です。
ここでは、特に補助金の目的外使用の禁止が強くうたわれています。
第16条では、補助金が正しく運用されていないと行政側が判断した場合は、行政側から「ここはこうしなさい」と命令できることがしめされています。
補助金返還の義務もあります。
注目したいのは、「補助金の返還」について規定されている第17条から第21条の部分です。
例えば、第17条では、「補助事業者が、補助金を他の用途に使用、または補助金の交付を決定した内容や条件、法令、行政側の処分に違反した時には、補助金の全部、あるいは一部を取り消すことができる」というものです。
何らかの違反があった場合は、少なくとも違反にかかる部分については補助金が交付されないことが示されています。
そして、第21条には徴収についての規定が書かれています。
補助金の返還は税金の徴収に次ぐものとして扱われ、「補助金の返還を求められているのに返さない場合は、滞納された税金と同じような方法で回収しますよ」、「回収の優先順位も税金に次ぐほど高いですよ」と示されています。
これが適正化法の主な内容です。